イタリアふれあい待ち歩き


イタリアの観光情報 ― 美味しいもの
 



食べ物の話しをしたいと思います。やはり、楽しみ方の一つに食べ物をあげなくてはいけません。とにかく、イタリアは美味しいものばかりです。美味しくないものを探すほうが難しい。その中で何が美味しいのかを話します。ミラノの食べ物のお店や美味しいレストランに関しては、こちらを参考にしてください。-->ミラノのイタリア料理レストラン
美味しいものはイタリア国内にあふれていますので、どこの店に行っても満足できると思います。ですから、自分で、自分の好みにあった美味しいものを探すくらいの気持ちでいたほうが良いと思います。自分で探した美味しいお店が、一番の収穫です。但し、ツアーで用意された食事(特に昼食)は期待を裏切るでしょう。イタリア料理は注文を受けてから作り、出来立ての料理をゆっくりと楽しむものです。大量生産された料理を限られた時間内で食べるとイタリア料理は最悪になってしまいます。その代表がアリタリア航空の機内料理です。


スロー・フードとは

イタリア発祥のスロー・フード協会と言うものがあります。スロー・フードとは、昨今のファースト・フードに対抗して作られた言葉ですが、その意味は奥が深く、単に、ゆっくり料理してゆっくり食べるだけではありません。そこには、食べることの文化は持続性のあるものでなくてはいけないとのメッセージがあります。持続性があるとは、即ち、伝統があり、美味しいもので、栄養のバランスが良いものでなくてはならす、しかも体に害のあるようなものではいけないのです。

スロー・フードとは、強いては、自然と人間の豊かさまで追求したもので、いかにも、イタリア人らしい発想であり、人間の心理をついたものであると思います。日本のスローフード教会が発行したオフィシャル・ハンドブックを添付しますので、時間があったら目を通してください。-->スローフード教会 オフィシャル・ハンドブック

スロー・フードとレストラン

スロー・フードとは何かがわかったところで、イタリアの美味しいものの話をします。何故、スロー・フードの話を出したのかと言うと、このスロー・フードの文化に大きな衝撃を感じて、イタリアの美味しいものに対する感覚が、この食文化に沿ったものになってしまったからです。もちろん、ファースト・フードが嫌いなわけでもなく、よく食べているのですが、美味しいものの話をするときは、どうしても、スロー・フードが対象になってしまいます。従って、ちゃんとレストランで食事をしようと思ったときには、スロー・フード・レストランを探し出して、そこに行くようになってしまいました。イタリア人も同様にかなりの影響を受けています。スロー・フードのレストランは、どこも満員で、街には自然食品の店を数多く見ることが出来ます。

 

ところが、スロー・フードとは、郷土料理的なものなので、ミラノのような都会ではスロー・フードのレストランは数が少ないのです。イタリアでは、もともと有名なレストランは都会にあるべきものではなく、田舎にぽつんとあるものらしいので、イタリア人に美味しいレストランを聞くと、いつも、車でなくてはいけないようなレストランを教えてくれます。スロー・フードの食文化は、それに輪をかけたもので、ますます、その傾向が強くなってしまいました。しかし、いつもそんな田舎のレストランに行くわけにも行かないので、街の中にあるスロー・フード・レストランを探さなくてはいけません。その手段として、スロー・フード協会が認定したレストランの本があります。その本を頼りに、美味しいレストランを探すことになります。スロー・フードのレストランは、多少、金額が高めです。これは、食材にこだわりがあるためです。でも、目玉が飛び出すほど高いところはありません。それに、期待通りに、本当に美味しいことは間違いありません。


イタリアの食文化

イタリアでは、レストランに行かなくても美味しいものがいっぱいあります。イタリア語では、レストランとは“リストランテ”ですが、日本人の感覚では、イタリア語の“トラットリア”や“オステリア”もレストランに入れて良いと思います。でも、イタリアには、食べ物やとして“パスタ専門店”、“ピッツェリア”、“パスッティッチェリア(ケーキ屋さん)”、“カフェ”、“バール"それにお菓子屋さんやチョコレート屋さん等がいっぱいあります。それに加えて、ハムやチーズを専門で売る店、専門の魚屋さん、肉屋さん、パスタ屋さんに八百屋さん等も揃っていて、正に、食文化の宝庫です。最近では自然食の専門店も増えてきました。ですから、レストランに行かなくてもイタリアの食文化を十分に楽しむことが出来ます。

 

イタリアのお菓子(ドルチェ)は、甘すぎると言う人がいますが、とにかく、店も製造者もいっぱいあり、それぞれが、イタリアの街と同じように、違う特徴を持っていますので、一概に判断する事は出来ません。ひとつ言えることは、イタリアのお菓子はその地方に根付いているものであって、伝統的にその味を維持していることです。昔から、その土地の人に好かれている味が今でも食べることができることはすばらしいことだと思います。それこそ、正にスローフードの理念に基づいたものです。老舗のお菓子屋さんに行くと、スローフード協会に認定されているとのステッカーを良く見ます。

 

お菓子だけではなく、肉、ハム、チーズ、パスタやパスタ・ソース等も、それぞれの地方で、その特徴のある味を持っていて、その味を伝統的に維持しています。もちろん、ワインも全く同様です。この事実が、イタリアが食文化の宝庫の源であると言えます。どんなに小さな街や村に行っても、その地のカフェに入ると、その土地の美味しいものを詰めたパニーノや当地自慢のお菓子が食べられ、バールに行っても、当地自慢の生ハムやチーズを摘みながら当地自慢のワインを飲めば、それだけでもその地方の食文化を十分に楽しむことが出来ます。

 

ミラノには数え切れないくらいの寿司屋があります。ミラネーゼは寿司が好きであることは間違いありません。もともと、米も酢もあるし、生の魚(肉も)を食べる文化がありますから抵抗感はないのでしょう。それに、スローフードの食文化と寿司は、その概念が一致する事がいっぱいあります。今では、スーパーでも寿司コーナーがあり、寿司のTake outだけでなく、寿司用の米や醤油や海苔まで売っています。イタリア料理と聞くと高カロリーで高コレステロールと思いがちですが、実は、日本食と似ているところがあり偏りなく食べていると、イタリア料理は健康食であることがわかります。だからこそ、長い歴史の中で生き残って、食文化として確立されたのだと思います。スローフード協会がイタリアから始まり、そして、日本人に受け入れられることはその証でもあります。個人的に、日本料理、イタリア料理、中華料理は世界の3大食文化だと思っています。こちらの人に、イタリアに何故寿司バーが多いのかと聞くと、日本にイタリア料理屋が多いのと同じだと言われました。

イギリス料理は論外ですが、フランス人は、フランス料理が世界一で、イタリア料理は二流であると良く言います。でも、フランス料理は、もともと、イタリアの貴族の娘がフランス王族に嫁入りしたときに、フランスには美味しいものがないので、イタリアから食材とコックを連れて行って料理をしたことが起源となっているのです。従って、フランス料理の方がイタリア料理の二番煎じなのです。そう考えてみると、フランス料理は、見栄えや味ばかりを気にして、素材の味や食べる人の健康を考慮していないものが多く、イタリア料理の食文化に比べると底の浅いものだと思えてきます。あれほど食べるのに時間がかかるフランス料理でも、スローフードの概念は全く当てはまりません。

 

レストランの楽しみ方
ミラノの名物は、ミラノ風のカツとサフランのリゾットと言われますが、レストランに行くとわかりますが、シーフードと野菜を主体にした料理においしいものが多く、食材も新鮮なものが揃っています。従って、日本のイタリア料理に比べると、あっさりとしていて、日本人好みですので、美味しくないものを探すのが難しいくらいです。もちろん、パスタやリゾットもいろいろとありますが、イタリア人もポルチーニ茸や野菜主体のパスタを好んで食べています。10月からは白トリフも出てきますが、白トリフはイタリアでも高級食材でありそう簡単には食べられません。その上かなり高価です。

 

イタリアでは、食事中にワインを飲むのが普通です。最近ではビールを飲む人も増えてきましたが、まだまだ稀少です。ワインは白・赤とも種類も豊富で安価ですので、ワインを飲んでも高級なイメージはありません。イタリア人は、どちらかと言うと白ワインが好みのようで、白ワインを飲む人が多いようです。それに、あまり肉は赤、魚は白とのこだわりはないようです。実際に、白ワインのほうが美味しい種類が多いように感じます。もちろん、イタリア人でもアルコールを飲まない人もいますので、フレッシュジュースやソフトドリンクを飲んでいる人も見かけますがそれほど多くありません。その代わりに、ワインを飲む人も飲まない人も、ほとんどの人がミネラルウォーターを飲んでいます。ミネラルウォーターには“ガス入り”と“ガス無し”があります。イタリア人は“ガス入り”が好きですが、日本人は“ガス無し”の普通のミネラルウォーターが多いと思います。“ガス無し”は“ナチュラーレ”と呼んでいます。

 

飲み物の後は、食事の注文ですが、食事のメニューはアンチパスタ、プリモ、セコンディの3種類に分けられています。即ち、日本風に言うと、アペタイザー、パスタ、メインディッシュとなります。但し、全部一品ずつ注文すると、とても多くて食べられません、それに、その順序で注文して食事をすると、食事時間が2,3時間にもなってしまいます。忙しい日本人には、とてもじゃないですが付き合いきれません。そこで、いつも、アンチパスタをいくつか注文して、皆で分けて食べて、それから、プリモとセコンディの中から一人一品を選んで注文します。又は、それに加えて、数品追加で注文してそれも皆で分けて食べるようにしています。即ち、この3種類のメニューの中から多くても一人二皿くらいを選んで食べれば量として十分です。分けて食べるときには、各人のお皿だけはもらいましょう。

 

食事の最後は、ドルチェ(甘いものの意味でデザートのこと)を食べます。ケーキかジェラートが主で、どのレストランでも美味しいものを揃えています。その後、最後に、エスプレッソを飲んで食事は終了です。


    ミラノのイタリア料理レストラン        日本スローフード協会・オフィシャル・ハンドブック

 


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