イタリアふれあい街歩き



世界遺産に匹敵する観光地


日本でも、世界遺産に登録されていないところで有名な観光地(例えば日本の富士山や箱根)がいっぱいあるように、もちろんイタリアにも、世界遺産の登録リストには入っていない観光地で、しかも上記にリストされた観光地に比べて勝るとも劣らないところが結構あります。

例えば、ミラノのドゥオモガルダ湖のシルミオーネや湖の中で一番観光客の多いコモ湖の入口であるコモコモ湖・マッジョーレ湖沿岸のヴィラ等です。実際に、これらの観光名所は、世界遺産に登録されている観光地よりも観光客が多く、大昔から何時行っても賑わっています。もちろん、これらの観光地にはいっぱいの観光客を集めるだけのすばらしい要素がそれなりにあります。ですから、世界遺産はあくまでも、計画を立てるべき観光地の目安であると考えるべきで、さもないとこれらのすばらしい観光地を逃してしまうことになります。

 

それに加えて、国際的に有名ではなく、ガイドブックにも載っていない観光地でも、現地の人の間では有名な観光地もかなりあります。今までに、そのような観光地にいくつか行きましたが、世界遺産に匹敵するようなすばらしいところもありました。何故、世界遺産に登録されないのだろうと不思議に思うくらいです。そんなところは、ガイドブックにもないので、ほとんどの観光客はイタリア人です。でも、大いに行って良かったと感じて、満足して帰ってきています。もし、そのような観光地を見つけることが出来ましたら、その満足度は世界遺産の何倍にも感じると思います。
 

ミラノ周辺の暫定リスト

世界遺産に登録される前の段階で、各国は、国として保護している観光資源で将来世界遺産に登録されることを目標としている候補地を集め、暫定リストとして作成したものをユネスコに提出しています。ユネスコの世界遺産登録には、この暫定リストに入っていることが条件となっています。従って、暫定リストとは、所謂、世界遺産の予備軍のようなものです。イタリアでは、これまでに世界遺産に登録されたものを除いても、まだ暫定リストには40ヶ所以上が挙げられています。また、これからも暫定リストに入る候補地は増えるものと思います。これらの40ヶ所の候補地の中味までは完全に把握出来ていませんが、少なくとも下記のミラノ周辺の観光地が含まれていることは確認できました。

1.     アレッサンドリアのチッタ・デル(アレッサンドリア

2.     イタリアのロンバルド・パワーのチヴィダーレ(各地)

3.     パルマの歴史地区(パルマ

4.     パヴィアの歴史地区と修道院(パヴィア

5.     マッジョーレ湖(ストレーザ)とオルタ湖(オルタ・サンジュリオ

6.     モンテ・ビアンコ(モンブラン、自然遺産)

7.     ベルガモ市街地(ベルガモ

8.     ボローニャの柱廊(ポルティコ)(ボローニャ

9.     サンタ・ジュリア、サン・サルヴァトーレ修道院(ブレーシア

10.   スクロヴェーニ礼拝堂パドヴァ

11.   ランゲ、ロレーロ、モンフェッラート及びヴァル・テッリーナの葡萄園(ピエモンテ州、クネオ

12.   パレルモとモンレアーレのカテドッラーレシチリア

13.   タオルミーナとイソーラ・ベッラシチリア

14.   カッラーラの大理石採掘場マッサ・カッラーラ

ガイドブックの端っこに載っている街

大きな街であっても日本のガイドブックの端っこに小さく載っていたり、完全に無視されている大きな街があります。でも、イタリアのガイドブックにはちゃんと載っているのです。ほとんどの大きな街は観光に力を入れて、駅や街の中心部にインフォメーションも設けてあります。しかし、全ての街に行くわけには行きませんので、インターネット等で調べてから行くことになります。上記の暫定リストにも入っていない街でお勧めの観光地は、ピアチェンツァリミニシルミオーネです。
 

「イタリアの最も美しい村」と小さな街・村

隠れた観光地の情報源の一つとして、「イタリアの最も美しい村」協会の発行する本があります。イタリア内で177の小さな美しい村を取り上げています。オルタ・サンジュリオ、ボッビオ等の既に有名な街や村もそこに入っていますが、ほとんどが外国人の知らない小さな街や村です。「イタリアの最も美しい村」以外にも、それと似たような隠れた観光地として小さな街や村を集めた本もあります。また、各州で発行している近郊の小さな観光地を集めた小冊子も情報源の一つです。もちろん、これらの本はイタリア語で書いてあります。各協会・本・小冊子に選ばれている小さな観光地に関してはイタリアの観光地全リストに州・県別にまとめてあります。-->イタリアの全観光地 


これらの本に選ばれている小さな街や村には、必ずと言って良いほど、ひっそりと自然と共存した古い教会やお城、砦等の歴史建造物があります。ローマ時代の建造物や中世の城壁に囲まれた村、丘の上の協会や古城の周りの小さな村等、そこを訪れる人を感動させてくれることは間違いありません。これらの小さな街や村が将来世界遺産に登録される可能性も大いにあります。実際に、マントヴァと共に世界遺産に登録されたサッビオネータ、トスカーナ地方で世界遺産に登録されたサン・ジミニャーノ、ウルビーノ、ピエンツァ等と同等レベルの観光地と考えてもおかしくありません。但し、これらの小さな街や村は、それほど観光化されていませんので交通の便が良いところにあるはずがありません。従って、公共交通機関で訪ねる場合には交通機関を詳細に調査する必要があります。車で行くならそれほど時間もかかりませんが、公共交通機関では大変です。特に、ほとんどがイタリア国鉄の駅から地方のバス路線を利用する事になりますので、土、日曜日は本数が極端に減りますので注意が必要です。但し、これらのどこに行っても期待を裏切ることはないと思いますので、そこに行ったときの満足感は有名な観光地に比べて数倍に膨らむと思います。

 

これらの本の中から代表的な街や村を下記にあげてみます。この中には、今までに出てきた観光地とダブっているものが多少出てきます。但し、下記の街や村は、それらのほんの一部ですので、これらの街や村以外にもすばらしいところがあります。これらの本を手に入れて、自分好みの街や村を探し、そこを訪ねていくことをお奨めします。誰も知らない自分だけの観光地として、長く記憶に残ると思います。

1.           Ricetto di Candelo(ピエモンテ州・ビエッラ県

2.           Varallo(ピエモンテ州・ヴェルチェッリ県

3.           オルタ・サンジュリオ(ピエモンテ州・ノヴァーラ県

4.           Cervo(リグーリア州・インペリア県

5.           Borgio/Verezzi(リグーリア州・サヴォーナ県

6.           Finalborgo(リグーリア州・サヴォーナ県

7.           Millesimo(リグーリア州・サヴォーナ県

8.           Noli(リグーリア州・サヴォーナ県

9.           Campo Ligure(リグーリア州・ジェノヴァ県

10.   Camogli(リグーリア州・ジェノヴァ県

11.   Varese Ligure(リグーリア州・ラ・スペツィア県

12.   Porto Venere(リグーリア州・ラ・スペツィア県

13.   Lerici/Tellaro(リグーリア州・ラ・スペツィア県

14.   Cornello dei Tasso(ロンバルディア州・ベルガモ県

15.   Sirmione(ロンバルディア州・ブレーシア県

16.   Castellaro Lagusello(ロンバルディア州・マントヴァ県

17.   Pizzighettone(ロンバルディア州・クレモナ県

18.   Soncino(ロンバルディア州・クレモナ県

19.   Gradella/Pandino(ロンバルディア州・クレモナ県

20.   Vigevano(ロンバルディア州・パヴィア県

21.   Varzi(ロンバルディア州・パヴィア県

22.   Zavattarello(ロンバルディア州・パヴィア県

23.   Veleggio・Borghetto(ヴェネト州・ヴェローナ県

24.   Dozza(エミリア・ロマーニャ州・ボローニャ県

25.   Compiano(エミリア・ロマーニャ州・パルマ県

26.   Bobbio(エミリア・ロマーニャ州・ピアチェンツァ県

27.   Castell'Arquato(エミリア・ロマーニャ州・ピアチェンツァ県

28.   Vigoleno(エミリア・ロマーニャ州・ピアチェンツァ県

29.   Brisighella(エミリア・ロマーニャ州・ラヴェンナ県

30.   Pontrmoli旧市街(トスカーナ州・マッサ・カッラーラ県

31.    Vogogna(ピエモンテ州・ヴェルバーノ・クシオ・オッソーラ県
32.    Bard/Donnas/Pont Saint Marten(ヴァルダオスタ州

上記に列記した32の小さな街・村はどこも素晴らしかったのですが、これらの街・村とガイドブックに乗っているような有名な観光地や大きな街と同じレベルで比較するのは非常に難しいのです。何故なら、これらの小さな街・村は、まだ十分に観光化されているとは言えず、観光客に対して決して優しいとは言えないからです。例えば、そこへ行くアクセスにしても、観光客がそれほど多くはありませんから、車で行く場合は別にして、決して便利とはいえません。
それでも、この中には、比較的観光客も多く、総合的にガイドブックに載っている観光地に負けていないところもあります。個人的意見ですが、なんと言ってもまず、個人的に一番好きなオルタ・サンジュリオです。また、チンクエ・テッレと共に世界遺産に登録されていますが、ポルト・ヴェネーレも必見です。更に、ボッビオカステッラルクァートフィナルボルゴブリスゲッラポントレモーリ旧市街ヴィジェーヴァノヴァラッロも、世界遺産に負けていないと思います。

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