個人旅行のガイドと注意点 ― 計画・たて方と対処方法



日帰旅行の計画は、インターネットで公共交通機関の時刻表を調べてたてることができます。イタリア国鉄が一番簡単です。Trenitalia のサイトにアクセスすれば直ぐにできます。出発駅と目的地の駅の名前及び日時を打ち込めば時刻表が出てきます。駅の綴りは間違えないように注意してください。私鉄もそれぞれサイトがあり、同様に調べられます。
バスは、先ほども書きましたが、バス会社のサイトにアクセスすれば、その路線の時刻表が必ずあります。
列車もバスも、特にバスは、土(Sabato)、日曜日・祝日(Festivo)は時刻表が異なりますので、土、日曜日・祝日の場合は注意してください。また、学校の休みの期間は極端にバスの本数が減りますから注意が必要です。特に、6 月10 日くらいから8 月いっぱいは夏休み期間で時刻表(夏時間)が変更になります。ですから、この期間に旅行を計画する人は、夏時間の時刻表であることを確認してください。


ネックになる(本数が少ない)交通機関を把握する

田舎に行くほど私鉄もバスも本数が限られています。乗換がある場合は、どの路線がネックになるかを把握しないと計画はたてられません(マントヴァからサッビオネータに行くバスは1 日に3 本しかありませんでした)。必ず、ネックになる路線の計画を最初にたてた上で、それに繋がる路線を探すようにしなくてはいけません。その場合、遅れを考慮した余裕を見ることを忘れないようにしてください。国鉄と国鉄の乗換なら、チケットの購入がありませんので、10 分くらいの余裕(稀に、列車が10 分以上遅れる事もありますが、その時はあきらめましょう)でもかまいませんが、私鉄やバスに乗り換えるときは、遅れとチケットの購入時間を考えて、30 分くらいの余裕は必要だと思います。
逆に、ジェノヴァ近郊のリヴィエラ海岸や世界的に有名な観光地では日曜日や夏時間でもバスの本数が減りませんのでイタリア国鉄のほうがネックになります。イタリア国鉄に十分間に合うバスを余裕持って選んで、イタリア国鉄に乗り遅れるようなリスクを生じないように計画してください。

さあ、出発、でも計画通りに行かない時は?

計画が出来れば出発です。すべてが計画通りに行けば何も問題はありませんが、計画通りに行くとは限りません。いくら余裕を見て計画しても、最悪の場合(まだ、直面したことはないが、周りにそのような状況はあった)、イタリアでしょっちゅうあるストライキでキャンセルになったり、故障でキャンセルになったり、途中の駅で動かなくなったり、思いもかけない事態が、稀ですが、起こることもありますので、その場合は、ここはイタリアであることを認識して、今日の日帰旅行はあきらめて、どうやって、今日中にミラノに戻るかを考えることです。時間の余裕だけではなく心の余裕も大事です。イタリア人には、そんな事に動じる人は少ないので、周りの人はそれほど騒いだりしません。もし、イタリア人が騒ぎ出したらよほど大変な事と考えて、近くのイタリア人と行動をともにしてください。
イタリアのストライキ情報は、いくつかのインターネットのサイトで見ることが出来ます。日本語のサイトもいくつかありましたので、事前に把握する事が出来ます。故障の場合は、誰もわかりません。あの汚い列車ならいつ故障しても不思議はありません。また、個人的な理由で、旅行途中で計画を変更したいときがあります。そんなときのために、前後2 つ3 つの時刻表も把握しておいたほうが良いでしょう、そのほうが、旅行に柔軟性が出来て、より楽しくなると思います。イタリアの列車は途中下車も問題ありませんので、ミラノに着くまでに、列車がちゃんとあればですが、何度途中下車しても追加料金にはなりません。でも、途中下車するときは、次の列車の発車時刻を把握してちゃんとミラノに戻ることができるか確認して置いてください。逆に、疲れたときや面白くないときは、早く帰ることもできます。

イタリア国鉄(Trenitalia)事情

世間の噂ほど、イタリア国鉄は悪くありません。確かに、普通列車の車体は汚くて、整備もしているように思えないのですが、ストライキを除いて、列車が10 分以上遅れる事はそれほど多くはありません。最近は、日本でも、なんやかんやの理由で電車が遅れる事がよくあります。今は、人間の判断ではなく、コンピューターで制御していることもあり、昔に比べて遅れる事が多くなりました。それに比べると、イタリア国鉄では、スピードを出して遅れても遅れを取り戻したりしてくれることもあり、頑張っているように見受けられます。但し、日本との大きな違いは、@イタリア国鉄は本数が少ないので、一つの遅れがどんどん膨らんでしまうこと、Aイタリア語であるため、遅れの理由が分からないこと、 B遅れに対する対処をどうすればよいかわからないこと、の3 点が、パニックになる原因で、パニックになると、いつも、イタリア国鉄は最悪だということになってしまうのです。ですから、パニックにならずに冷静に、日本にいるときの様に対処するのが一番重要な事なのです。 今までに100回以上もイタリア国鉄を利用して旅行をしていますが、列車の遅れで、旅行を途中で断念したことは一度もありません。いつも何とかなっています。あまり心配しないで、そうなったらそうなったで仕方がないと思うことです。

楽しい旅は、まず安全の確保から
イタリアの文化を理解し、注意のアンテナをはりつつ素敵な旅行にしてください。


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