個人旅行のガイドと注意点 ― ミラノ各駅の注意点



イタリア国鉄のサービスの悪さ、汚さは、もう散々書きましたが、イタリア国鉄に乗らないわけには行きません。数少ない私鉄では行きたいところに行けません。そこで、イタリア国鉄の、ミラノにおけるターミナル駅を紹介するとともに、注意点をまとめました。
最後のカドルナ駅だけは、私鉄ノルド線(Le Nord)の駅です。

人の出入りの激しいこれらのターミナル駅では、すり置き引きが多発していますので、身の回りの物には注意が必要です。前にお話した自動販売機でおせっかいな人が出てくるのも、これらのターミナル駅です。
一人旅の防犯に関しては、別にまとめていますのでそちらを呼んでください。日本人の常識は通じないことだけは心に刻んでください。

ミラノ中央駅(M2, M3)

ユーロスターやユーロシティなどの特急列車や普通列車(レジョナーレ)でも比較的遠くに行く時には、この駅からイタリア国鉄を利用します。普通列車でもこの駅から出ている場合は、所謂、快速電車ですので、他の駅から出る普通列車よりも、停まる駅が少なく、所要時間が短くなっています。ミラノ中央駅からの普通列車は、ノヴァーラ・トリノ行き、ヴェローナ行き、モンツァ・ベルガモ行き、 レッコ・ソンドリオ・ティラーノ行き、ストレーザ・ドモドッソーラ行き等があります。但し、本数は少ないので、時刻表を調査して、もしミラノ中央駅始発の普通列車が利用できる場合は、なるだけ利用するほうが得策だと思います。

利用法と注意点
ミラノ中央駅からは、マルペンサ・エアポート行きのバスが出ていますので、いろいろな利用方法が出来ます。つい最近、荷物の一時預かり所がオープンしました(最初の2 時間が4 ユーロ)ので、ここに荷物を預けて、エアポートへ行く時間まで観光することも可能になりました。荷物の一時預かりだけでなく、ミラノ中央駅はきれいに改装されてかなり便利になりましたが、まだ一部の改装が続いています。駅の構内は、将来ショッピング・アーケードになると思いますが、まだ、完全には店が入っていません。半年先くらいになるのでしょう。それでも、荷物を運ぶのも以前に比べてすっと楽になりました。駅構内には夜遅くまで開いているスーパーがありますので、帰りに買い物も出来ます。駅近くには、日本食を売っている店もあります。トイレはプラットホーム階とその下の階の2 ケ所にあります。両方とも有料トイレで、 1.0 ユーロ必要です。きれいなトイレで安全面でも問題ありません。

ミラノ・ロゴレド駅(M3)

ロゴレド駅はM3 の終点であるサンドナートの一つ前の駅です。ローディ、パヴィア、クレモナ、マントヴァ、ピアチェンツァ、パルマに行くにはこの駅が便利です。また、ジェノヴァ方面、イタリアン・リヴィエラへの普通列車とIC もロゴレドに停まりますので、ここから乗車できます。 
利用法と注意点
ここは比較的新しい駅なのできれいです。切符の窓口が少ないのでいつも人が並んでいます。ですから、壊れてなければ自動販売機のほうが早く切符を買うことが出来ますが、残念ながら、自動販売機は壊れている可能性が高いので、早めに駅に行く必要があります。切符の窓口は朝6時半から開いています。土・日曜日も開いていますので良心的です。ここには比較的きれいな無料トイレがあります。

ミラノ・ポルタ・ガリバルディ駅(M2)

ポルタ・ガリバルディ駅はミラノ中央駅からM2 地下鉄で2駅目です。ここからの普通列車は、ベルガモ、モンツァ、ストレーザ・ドモドッソーラ行き等があります。この駅も大掛かりな改装工事がほぼ終わり、構内に店も入って大きくてきれいな駅となっています。
利用法と注意点
この駅の欠点は、日曜日に切符売り場が閉まっていることです。従って、日曜日は自動販売機でチケットを購入するしかありません。そのために、自動販売機が混んでいていつも行列ができています。人によってはチケットの購入に時間がかかりますので、下手すると列車に乗り遅れる可能性もあります。日曜日に、この駅から列車に乗るときは、事前にチケットを購入しておくことをお奨めします。また、13 番線プラットホームまでは切符売り場と同じフロアにありますが、14 番線プラットホーム以降は、一度地下に降りてからホームに入りますので注意が必要です。13 番線以降は、モンツァ行き等の短距離の普通列車が多く、これらの列車はプラットホームの長さに比べて、列車の長さがかなり短いのでプラットホームの端っこに停まっています。ですから、ホームの端までよく見て列車を確認するようにしてください。プラットホ−ムの真ん中に列車が見えなくても、列車がまだ来ていないと思わないように気をつけてください。また、13 番線以降には、打刻機が少なく壊れている機械も多いので、打刻は、できるだけ、地下に行く前に行うほうが良いと思います。

ランブラーテ駅(M2)

ランブラーテ駅はミラノ中央駅からM2 地下鉄でポルタ・ガリバルディと逆方向に4 つ目の駅です。ここからの普通列車は、ブレーシャ・ヴェローナ・ヴィチェンツァ方面があります。普通列車の本数は中央駅よりも多く、特に、ヴィチェンツァに普通列車で行くにはこの駅からだけとなります。この駅は、地下鉄の駅とはつながっていませんので、一度地上に出て国鉄の駅に入ることになります。この駅も大きな駅ですし、それほど汚くはありません。

ポルタ・ジェノヴァ駅(M2)

ポルタ・ジェノヴァ駅は、カドルナ駅からポルタ・ガリバルディ駅と反対方向の3 つ目の駅です。ヴィジェーヴァノに行く時は、この駅から乗るしかありません。この駅は、ミラノの駅とは思えないくらい小さくて汚い駅です。プラットホームも2つしかなく、ミラノのターミナル駅の中では最悪の駅であることは間違いありません。自動販売機も 1,2 個しかなく、しかもいつも壊れています。駅員の数も少なく不親切で、日曜日には、切符売り場に人がいないのが普通です。ですからチケットの購入は出来ないと思ってよいでしょう。日曜日でも、時々、駅員の人が見回りをしていて、運がよければその駅員からチケットを購入できます。多分、普段の日の朝夕だけ、乗降客が多いのでしょう。土、日曜日には乗降客はかなり少ないようです。
利用法と注意点
この駅からはそれほど長距離の列車に乗る事がないので、目的地までのチケット又は距離チケット(10 キロ毎の距離に対してキオスク等で販売しているチケット)を事前に他の駅又はキオスクで購入しておくのが良いかもしれません。また、この駅で切符を買うときには、切符売り場でもお釣りがないようにお金を準備したほうが良いでしょう。トイレはありますが、いつも閉鎖しています。たまに開いていてもとても汚いくとても使いたいとは思えないトイレです。

ノヴァーラ駅

ミラノのターミナル駅ではありませんが、日帰り圏内のピエモンテ州の各地(トリノ、ビエッラ、ヴァラッロ・セシア、オルタ湖経由ドモドッソーラ等)に行くには、ここで乗り換えます。ですから、ノヴァーラ駅には頻繁に行く可能性があります。ここも大きな駅ですが、トリノ行き以外の地方へ行く列車は短いので、プラットホームの一部(又は端の方)しか使っていません。乗り換えるときには、どこ行きなのかを駅員に確認してから乗るようにした方が良いと思います。地方へ行く列車は短いのですが、比較的にきれいな列車が多いので快適な旅行が出来ます。但し、午前中の列車の一部は、乗客が少ないのでバスに振り替えている場合があります。バスは発車時刻の直前に駅の真正面に来ますので心配は要りません。イタリア国鉄の切符を運転手さんに見せて行き先を確認して乗ってください。目的地も国鉄駅の真正面まで行きます。
ノヴァーラ駅からミラノに戻るときは、ミラノ中央駅行き、ポルタ・ガリバルディ行きが、共に、30 分おきに出ていますので、どれでも好きな列車に乗れば良いので簡単です。
利用法と注意点
この駅は、大きな駅ですが、切符売り場の窓口は一つですので、この駅で切符を買う必要のあるときは、早めに駅に行ってください。この駅には比較的きれいな無料トイレもあります。

ジェノバ・ピアッツァ・プリンチペ駅

ここもミラノのターミナル駅ではありませんが、イタリアン・リヴィエラ(サヴォーナ、ラ・スペツィア等)に向かう場合は、この駅を経由します。イタリアン・リヴィエラは一大観光地ですから、この駅はいつも混みあっています。また、この方面には素晴らしい小さな街・村も多く存在していますので、この駅で乗り換えることが多々出てきます。
利用法と注意点
ジェノヴァ・ピアッツァ・プリンチペ駅も大きな駅で、地下にもプラットホームがあり、近距離の列車はそこから出る場合が多いので注意が必要です。この駅にも無料のトイレがあります。

カドルナ駅(Le Nord線)(M2)

ここは、マルペンサに行く時に使うので、皆さん、良く知っていると思います。マルペンサ及びコモやヴェレーゼに行く時は、国鉄よりもこの駅からLe Nord線で行くほうが便利です。マルペンサへのチケットは、完全に別の切符売り場となっていますので、購入には問題ありません。
利用法と注意点
気をつけなくてはいけないのは、週末には、コモ方面に観光に行く人で切符売り場が混みあうことです。ここは、私鉄駅ですから、比較的に自動販売機がちゃんと動いていますので便利です。この駅のプラットホームには自動改札機があり、日本の駅と同様にチケットが無いと入れません。Le Nord 線は、きれいな列車が多いので快適です。


楽しい旅は、まず安全の確保から
イタリアの文化を理解し、注意のアンテナをはりつつ素敵な旅行にしてください。


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